【介護保険】退院後の在宅介護、どう準備する? 福祉用具と住宅改修で不安を解消!

介護保険制度のこと

「もうすぐ家族が退院するけれど、今の自宅で安全に生活できるか不安…」 「在宅介護が始まるけど、介護する側の負担も大きいのでは…」

ご家族の退院が決まると、喜びと同時に様々な不安がよぎるものです。特に、入院前と比べて身体の状態が変わり、介護が必要になった場合、ご自宅での生活に不安を感じるのは当然のことです 。

しかし、その不安は「介護保険」を活用した住環境の整備で、大きく軽減できるかもしれません。

住み慣れた家を安全で使いやすく整えることは、在宅生活を続ける上で非常に重要なポイントです 。環境が整うことで、ご本人の「できない」と思っていたことができるようになり、心身の状態が改善することも珍しくありません 。

この記事では、介護保険を使って在宅生活の不安を解消する「3つの方法」を分かりやすく解説します。

住環境を整える3つのメリット

まず、なぜ住環境を整えることが大切なのでしょうか。資料によると、主な目的は以下の3つです 。

  1. 家庭内事故の防止 (転倒など、家の中の思わぬ事故を防ぎます)
  2. ご本人の自立支援 (自分でできることを増やし、意欲の向上につなげます)
  3. 介護者の負担軽減 (ベッドからの移乗や入浴の介助などを楽にします)

ご本人と介護するご家族、両方にとって大きなメリットがあるのです 。

介護保険でできる「住環境整備」3つの基本

介護保険を使って住環境を整える方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 福祉用具レンタル(貸与)
  2. 特定福祉用具の購入
  3. 住宅改修(リフォーム)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 福祉用具レンタル(貸与)

費用を抑えながら必要なものを利用できるのがレンタルの特徴です。

  • 費用: 月額レンタル料の1割(または所得に応じて2割・3割)負担で利用できます 。
  • 注意点: 要介護度別に定められた月々の利用限度額の範囲内で利用します 。
  • 対象品目の例:
    • 寝室まわり: 介護ベッド(特殊寝台) 、床ずれ防止用具(エアマットレスなど) )、ベッド脇の手すり 、マットレス
    • 移動: 車いす 、歩行器 、歩行補助つえ(多点杖など) 
    • その他: 工事不要な手すり(据え置き型など) 、スロープ(工事不要なもの)

【ポイント】軽度者(要支援1・2、要介護1)の方 原則として、介護ベッドや車いすなどは介護保険レンタルの対象外です 。しかし、身体の状態によっては例外的に対象となる場合があるため、まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してみてください 。

2. 特定福祉用具の購入

衛生面などからレンタルになじまない、入浴や排泄に使う用具は「購入」の対象となります。

  • 費用: 毎年4月1日~翌年3月31日までの1年間で「10万円」を上限に、購入費用の1割(または2割・3割)負担で購入できます 
  • 対象品目の例:
    • お風呂: 入浴用いす(シャワーチェア)、浴槽台(バスボード)、浴室内すのこ など 
    • トイレ: 腰掛便座(和式便器を洋式に変えるものや、高さを補うもの)、ポータブルトイレ 
    • その他: 簡易浴槽 、移動用リフトの吊り具 

3. 住宅改修(リフォーム)

転倒防止や移動の円滑化のために、小規模な住宅リフォームを行うことができます。

  • 費用: 「20万円」を上限に、工事費用の1割(または2割・3割)負担で行えます 
  • 対象工事の例:
    • 手すりの取り付け 
    • 段差の解消(スロープ設置や敷居の撤去など) 
    • 床材の変更(滑りにくい床材へ) 
    • 扉の取替え(開き戸を引き戸やアコーディオンカーテンへ) 
    • 便器の取替え(和式から洋式へ)

【重要】退院前に準備するときの注意点

「退院してすぐ使えるように、入院中に工事や購入を済ませたい」と考える方も多いでしょう。しかし、そこには注意点があります。

  • リスク: 介護保険は、原則として入院中(医療保険適用中)は利用できません 。
  • もしも…: もし入院中に福祉用具の購入や住宅改修を行い、万が一退院できなくなってしまった場合、かかった費用は全額自己負担となってしまいます 。

退院後の生活をスムーズに始めるために、以下のステップを踏むことをお勧めします。

  1. まずは相談: 担当のケアマネジャーや、病院のソーシャルワーカー、福祉用具専門相談員に早めに相談しましょう。
  2. 家屋評価: 病院の理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が、退院前にご自宅を訪問し、どこに危険があり、どんな用具や改修が必要か評価してくれる「家屋評価」が行われるか確認しましょう 。
  3. デモ利用: 福祉用具は、購入・レンタルする前にデモ品を借りることが可能です 。特に歩行器や車いす、ポータブルトイレなどは、ご自宅で実際に試してみて、ご本人に合うか、家の中で使えるかを確認しましょう 。

まとめ

ご家族の退院と在宅介護のスタートは、不安がつきものです。しかし、介護保険のサービスを上手に活用して住環境を整えることで、ご本人の自立を助け 、介護するご家族の負担を減らす ことができます。

「どこが不便で、どう改善すればよいか?」 一人で悩まず、まずはケアマネジャーや福祉用具専門相談員などの専門家とよく話し合い、ご本人やご家族にとって最も安全で有効な方法を見つけていきましょう 。

🫶 ゆるっとケア日和|腸活×介護×FPのヒント帳

今日も、あなたと大切な人の“ごきげんな日”が少し増えますように。

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