介護保険を利用する方にとって、介護サービスの費用は家計の大きな負担になります。そんなときに役立つのが高額介護サービス費です。本記事では、高額介護サービス費の仕組みや申請方法、家計への影響について初心者向けにわかりやすく解説します。
高額介護サービス費とは
高額介護サービス費とは、介護保険サービスを利用した際に、1か月あたりの自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
自己負担額は原則1割または2割(所得に応じて3割)の負担ですが、高額な介護サービスを受ける場合、家計への負担が大きくなります。
自己負担限度額のしくみ
高額介護サービス費の上限額は、所得に応じて異なります。
- 一般所得者:自己負担の上限は約44,400円/月
- 低所得者:自己負担の上限は約24,600円/月
- 高所得者:上限はさらに高く設定
※上記の金額は目安です。最新情報は市区町村の窓口で確認してください。
高額介護サービス費の上限額の計算方法
1. 基本の考え方
高額介護サービス費は、1か月に支払った自己負担額が、所得に応じた自己負担限度額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。
- 自己負担額は原則1割(所得により2~3割)
- 月単位で計算される
2. 所得区分ごとの上限額(目安)
厚生労働省の目安では以下の通りです(2025年時点):
| 所得区分 | 自己負担限度額(1か月) | 例:自己負担額の計算 |
|---|---|---|
| 一般所得者 | 約44,400円 | 介護サービス利用料10万円 × 1割 = 10,000円 → 上限44,400円を下回るので払い戻しなし |
| 低所得者 | 約24,600円 | 介護サービス利用料5万円 × 1割 = 5,000円 → 上限24,600円を下回るので払い戻しなし |
| 高所得者 | 約83,000円 | 介護サービス利用料50万円 × 3割 = 150,000円 → 超過分は払い戻し対象 |
※上限額は目安です。市区町村ごとに細かく異なる場合があります。
3. 計算例
例:一般所得者(自己負担2割)で介護サービス利用料が30万円の場合
- 自己負担額 = 30万円 × 2割 = 60,000円
- 自己負担限度額 = 44,400円
- 60,000円 −44,400円=15.600円 → 払い戻し
例:低所得者(自己負担1割)で介護サービス利用料が30万円の場合
- 自己負担額 = 30万円 × 1割 = 30,000円
- 自己負担限度額 = 24,600円
- 30,000円 −24,600円 =5.400円 払い戻し
例:一般所得者(自己負担1割)で介護サービス利用料が20万円の場合
- 自己負担額 = 20万円 × 1割 = 20,000円
- 自己負担限度額 = 44,400円
- 20,000円 < 44,400円 → 払い戻しなし
💡 ポイント
- 上限額は所得に応じて変わる
- 月ごとに計算する
- 市区町村ごとに詳細が異なるため、必ず確認
申請方法と注意点
高額介護サービス費は、自動で支給される場合もありますが、原則として申請が必要です。
家計に与える影響
高額介護サービス費を利用することで、毎月の介護費用の負担を大幅に減らせます。特に、施設サービスや訪問介護で費用がかさむ場合、自己負担の上限を超えた分は戻るため、家計管理にも安心です。
まとめ
高額介護サービス費は、介護保険を利用する方にとって、負担を軽減する大切な制度です。申請方法や上限額を理解し、必要に応じて市区町村の窓口で相談することで、安心して介護サービスを利用できます。


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