いつも介護、本当にお疲れさまです。 ご本人のこと、ご家族のこと、いろいろと大変なことも多いかと思います。
私たちケアマネジャーは、介護サービスのお手伝いをするのが仕事ですが、ご家族の暮らしを支える情報をお届けするのも、大切な役目だと思っています。
今日は、介護をがんばるご家族に、ぜひ知っておいてほしい「お金と税金」の大切な制度について、やさしくお話しさせてください。
「障害者控除対象者認定書」(しょうがいしゃこうじょ たいしょうしゃ にんていしょ)
…なんだか難しい名前ですよね。 でも、この一枚の紙で、ご家族が支払っている税金(所得税や住民税)が、もしかしたら数万円も安くなるかもしれないんです。

🌼 それって、どんな書類なの?
「うちの親は、障害者手帳は持っていないけど…」 そう思われたかもしれませんね。
大丈夫です。この制度は、障害者手帳を持っていない方のための制度なんです。
とってもカンタンに言うと、 「65歳以上で、要介護認定を受けている方は、税金の計算をするときに『障害者控除』という割引を使えますよ」 と、お住まいの市役所や区役所が証明してくれる書類のことです。

「介護が必要な状態=生活が大変ですよね」と、税金の面で少し応援してもらえる、そんなイメージです。
🎯 どんな方が対象になるの?
この制度の対象になるのは、ご本人(お父様・お母様など)が、
- 65歳以上で
- 「要介護1~5」の認定を受けている
そして、誰が控除を受けるかで、以下の2つのパターンがあります。
🔹 パターン1:ご家族が控除を受ける場合(扶養している場合)
この場合は、ご家族のどなたかが、ご本人を税金面で「扶養(ふよう)」している必要があります。
「扶養している」というのは、 「ご家族のどなたかが、ご本人の生活を経済的に助けている」 ということです。
例えば、
- 一緒に住んでいる(同居):お子さんのお給料で、親御さんの生活も一緒にみている。
- 離れて住んでいる(別居):お子さんが、ご実家で暮らす親御さんに、生活費や施設のお金を毎月「仕送り」している。
このような場合が「扶養している」になります。 (※ご本人の年金収入が一定額以下であることも条件になります。)
📢 パターン2:ご本人自身が控除を受ける場合(ご本人が課税されている場合)
ご本人(お父様・お母様など)自身に、高めの年金収入などで所得があり、所得税や住民税を支払っている場合です。
この場合は、ご本人が自分自身でこの控除を受けることができます。
【これが大切です!】
ご本人が控除を受けると、税金が安くなるだけでなく、それに連動して介護保険料や、医療費の自己負担額(高額介護サービス費や高額療養費の基準)が下がり、結果的にトータルの介護費用が軽くなることがあります。
💰 どれくらい安くなるの?
これは、控除を受ける方の所得によって変わってきますが、目安として、年間で数万円、場合によっては10万円以上、税金が戻ってくることも珍しくありません。

介護用品を買ったり、ご家族が息抜きをしたり…そのお金があったら、できることも増えますよね。
🙋♀️ どうやって申請するの?
「手続きが面倒なんじゃ…」 そう心配になりますよね。でも、とってもカンタンなんです。
- 行く場所: ご本人(お父様・お母様など)が住んでいる市役所や区役所です。 (「高齢福祉課」や「介護保険課」という名前の窓口が多いですよ)
- 伝えること: 「障害者控除対象者認定書(しょうがいしゃこうじょの にんていしょ)が欲しいです」と伝えるだけです。 (もし名前を忘れたら「介護認定を受けている親の、税金が安くなる書類」みたいに伝えても大丈夫です)
- 持っていくもの: 申請に行くご家族の本人確認書類(免許証など)で大丈夫なことが多いです。 (念のため、ご本人の介護保険証のコピーがあると安心ですね)
申請は無料
原則として「確定申告」で税務署に提出するのが、一番効率的です。

詳しくご説明しますね。
🔎 「税務署」と「市役所」の役割
この「障害者控除」を受けるには、所得税と住民税の2つの税金について手続きが必要です。
| 提出先 | 目的 | メリット |
| 税務署 (確定申告) | 所得税の控除を受ける | 住民税の情報も税務署から市役所に自動で伝わるため、両方の控除が受けられます。 |
| 市役所 (市民税課) | 住民税の控除を受ける | 確定申告をしない方が、住民税の控除だけを受けたい場合に利用します。 |
確定申告(税務署)に提出する場合
- 提出先: お住まいの地域を管轄する税務署
- 流れ: 「認定書」を添えて確定申告書を提出すれば、税務署から市役所・区役所へ情報が送られます。そのため、市役所へ改めて住民税の申告をする必要はありません。
市役所(市民税課)に提出する場合
確定申告をしない方(主に年金収入のみで一定額以下の方など)が、住民税の控除だけを受けたい場合にこの方法をとります。
- 提出先: お住まいの市役所・区役所の市民税課(または住民税担当課)
- 流れ: こちらで「認定書」を添えて住民税の申告を行います。この手続きは、住民税を安くするためだけの手続きです。
🌟 結論と次のステップ

ご家族に確定申告の予定があるなら、「認定書」を準備して税務署の手続きで一緒に済ませるのが一番手間が省けます。
もし、「確定申告をしないけど、住民税だけ安くしたい」という場合は、市役所の市民税課に相談してみてくださいね。

どちらの場合も、お住まいの役所の担当窓口が優しく教えてくれますよ。
🍀 ケアマネから、一番お伝えしたいこと
このお話をして、ご家族から一番よく言われるのが、 「えっ、知らなかった!もう何年も介護してるのに、損してた!」 という言葉です。
でも、ぜんぜん、大丈夫です!あきらめないでください。
この税金の申請は、過去5年間までさかのぼって「払いすぎた分を返してください」とお願い(還付申告)ができます。
もし「5年前から要介護で、扶養していた(またはご本人が課税されていた)」となれば、5年分の税金がまとめて戻ってくる可能性もあるんです。
😌 最後に、安心してくださいね

「障害者」という言葉に、少し驚かれたかもしれません。
でも、これはあくまで「税金のためだけ」の書類です。
- この認定書をもらったからといって、「障害者」として登録されるわけではありません。
- もちろん、介護サービスの内容が変わったり、ご近所に知られたりすることも一切ありません。
🫶 ゆるっとケア日和|腸活×介護×FPのヒント帳
今日も、あなたと大切な人の“ごきげんな日”が少し増えますように。


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