これに当てはまったら申告!図解・表つきチェックリスト
はじめに|介護中の家計、税金で少し楽になるかもしれません
親の介護が始まると、通院の付き添い、薬代、介護サービスの自己負担……気づけば家計の支出が大きく膨らんでいます。
そんな中で、こんなふうに思っていませんか?
「扶養内で働いているから、確定申告しても意味がない」
実は、これは思い込みのことが多いです。
扶養内でも使える税の控除は複数あります。
所得税の還付がなくても、翌年の住民税が下がるケースは少なくありません。

この記事では、介護中の方が見落としやすい4つの控除を、チェックリスト形式でわかりやすく整理しました。
全体像|介護費用と税控除のつながり
介護にかかる支出は、大きく3種類に分けられます。
【介護にかかる主な支出】
医療費・薬代
↓
医療費控除 の対象になる可能性
介護保険サービスの自己負担
↓
医療費控除(サービス内容による)の対象になる可能性
親の生活費・仕送り
↓
扶養控除 の対象になる可能性
親の心身状態(要介護認定など)
↓
障害者控除 の対象になる可能性
これらの控除を申告すると、税金の計算のもとになる「所得」が減り、
所得税や住民税の負担が軽くなります。

控除の種類と対象早見表
| 控除の種類 | 扶養内でも使える? | 主な条件 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 医療費控除 | ◎ | 年間医療費10万円以上(または所得の5%以上) | 住民税が下がる場合あり |
| 障害者控除 | ◎ | 要介護認定を受けている親がいる | 27〜40万円を所得から控除 |
| 扶養控除 | △要注意 | 親の合計所得が48万円以下※ | 38〜58万円を所得から控除 |
| 介護費用の医療費扱い | ◎ | 医療系介護サービスを利用している | 医療費控除に合算できる |
※ 65歳以上の親は年金収入158万円以下が目安。扶養内で働いている方は、
配偶者控除や社会保険の扶養判定に影響が出る場合があるため、
申告前に勤務先または税務署に確認することをおすすめします。
チェック①|医療費控除

□ 親の病院代・通院費を支払っている
□ 処方薬の薬代を払っている
□ 通院やデイサービスの交通費を払っている
□ 介護保険サービスの自己負担分を払っている
□ 家族全員の医療費を合算すると年間10万円以上(または所得の5%以上)
▶ 1つでも当てはまれば、医療費控除を確認!
1つでも当てはまる方は、医療費控除を確認する価値があります。
ポイント
医療費控除は、自分だけでなく、生計を一にする家族全員の医療費を合算できます。
親と別居していても、仕送りや生活費を援助していれば「生計を一にする」と認められる場合があります。
扶養内の方へ
所得税の還付がゼロでも、医療費控除を申告することで翌年の住民税が下がるケースがあります。「どうせ戻らない」と諦めずに、一度計算してみることをおすすめします。
次のステップ
- 領収書・交通費のメモを1年分集める
- 国税庁の「医療費集計フォーム」で合計を出す
- 確定申告書または住民税申告書に記載する
チェック②|障害者控除(手帳なしでも申請できる場合があります)

□ 親が要介護認定を受けている
□ 日常生活に介助が必要な状態が続いている
□ 障害者手帳は持っていない
□ 「障害者控除対象者認定書」を知らなかった
当てはまる方は、市区町村の窓口に相談してみてください。
ポイント
障害者手帳がなくても、**市区町村が発行する「障害者控除対象者認定書」**があれば、障害者控除を受けられる場合があります。
要介護認定の状態や年齢などをもとに判断されます。てはまる場合、市区町村で認定書を申請できる可能性があります。
控除額の目安
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
チェック③|扶養控除に入れられる可能性は?

□ 親の収入は年金が中心
□ 親の合計所得が48万円以下の可能性がある
□ 医療費や生活費を自分が援助している
□ 親と別居しているが仕送りしている
▶ 複数当てはまる場合、税法上の扶養に入れられる可能性があります。
※ポイント
親を税法上の扶養に入れると、自分の所得から一定額を差し引けます。
| 親の年齢 | 控除額 |
|---|---|
| 70歳未満 | 38万円 |
| 70歳以上(同居以外) | 48万円 |
| 70歳以上(同居) | 58万円 |
注意
扶養控除を受けると自分の所得(控除後)が下がるため、扶養の範囲内で働いている方は、配偶者控除や社会保険の扶養判定に影響が出る場合があります。申告前に、勤務先や税務署に確認することをおすすめします。
次のステップ
- 親の年金収入額を確認する(「公的年金等の源泉徴収票」で確認可能)
- 合計所得が48万円以下かどうかを判断する
- 年末調整または確定申告で「扶養控除」欄に記載する
チェック④|介護サービス費用も医療費になる?

□ 訪問看護を利用している
□ 通所リハビリ(デイケア)を利用している
□ 医療系サービスが含まれる介護保険サービスがある
□ 領収書を保管している
当てはまる方は、医療費控除に合算できる可能性があります。
ポイント
介護保険サービスの費用は、すべてが医療費控除の対象になるわけではありません。
医療系サービス(訪問看護・デイケアなど)の自己負担分は対象になりますが、
生活援助中心のサービスは対象外です。
| サービスの種類 | 医療費控除の対象 |
|---|---|
| 訪問看護 | ○ |
| 通所リハビリ(デイケア) | ○ |
| 訪問介護(身体介護) | 条件による |
| 通所介護(デイサービス)のみ | 条件による |
| 生活援助(掃除・買い物など) | × |
次のステップ
医療費控除の申告時に合算する
ケアマネジャーに「医療費控除の対象になるサービスはどれか」を確認する
領収書と「介護保険サービス費の医療費控除証明書」を取り寄せる
まとめ|1つでも当てはまったら要チェック
✔ 医療費控除
✔ 障害者控除
✔ 扶養控除
✔ 介護費用の医療費扱い

介護をしているだけで活用できる制度は、意外とたくさんあります。
「1つでも当てはまった」と思ったら、まずは市区町村の窓口か税務署に相談してみてください。
知らなかったことで損をしないために、一度だけ確認してみることをおすすめします。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断については、お住まいの市区町村・税務署・税理士にご相談ください。

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