「まだ要介護認定を受けていないから、何もできない」
そう思っている方、実はとても多いです。ですが、介護保険を使わなくても、自宅の安全性を高める方法はたくさんあります。
「認定を受けるほどではないけど、ちょっと心配」「申請中で、結果が出るまで数週間かかる」――そんな時期にこそ知っておいてほしい、自費でできる自宅の安全対策をまとめました。
なぜ「介護保険を待たずに」対策するべきなのか
要介護認定の申請から結果が出るまでは、通常1ヶ月前後かかります。この間、何も対策をしないまま過ごしてしまうと、転倒などの事故が起きてしまうことも少なくありません。
実際、ケアマネジャーとして関わってきた中でも、「認定結果を待っている間に転倒し、かえって介護度が重くなってしまった」というケースを何度も見てきました。
制度を待つ前に、今日からできることがある。 これをまず知っておいていただきたいです。
100円ショップ・ホームセンターでできる対策

意外と知られていませんが、介護保険を使わなくても、身近なお店で安全対策グッズは揃います。
- 滑り止めマット・シート:浴室、トイレ、玄関の上がりかまちなどに
- 滑り止めテープ:階段の縁に貼るだけで踏み外しを予防
- 突っ張り棒タイプの手すり:工事不要で、力を入れずに取り付けられるものも市販されています
- 夜間用センサーライト:電池式・人感センサー式なら配線工事も不要
- コード類の整理グッズ:床に這わせた電源コードは、思っている以上につまずきの原因になります
これらは数百円〜数千円で購入できるものが多く、今日から始められる対策です。介護用品店やホームセンターの「介護コーナー」を覗いてみると、想像以上に選択肢があることに驚くと思います。
一点だけ注意点を。 突っ張り型手すりのように市販もされている用具は、要支援・要介護の認定を受けている(または近く受ける見込みがある)方の場合、介護保険レンタルの方が費用面で有利なことが多いです。レンタルなら1割負担(所得により2〜3割)で月数百円程度、体の状態が変わった時の高さ調整や交換も柔軟にできます。一度市販品を購入してしまうと、後から保険レンタルに切り替えることはできず、買い替えも全額自己負担になってしまいます。
「今日明日にも心配」というくらい緊急度が高い場合は購入もやむを得ませんが、数週間待てそうであれば、まず地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してからの方が、後々の負担は軽くなることが多いです。
家具の配置を見直すだけでも変わる
お金をかけずにできる、けれど効果が大きいのが「動線の見直し」です。
- 寝室からトイレまでの通路に物を置かない
- 廊下やリビングの角にあるテーブルの位置を調整する
- ラグやカーペットの端がめくれていないか確認する(つまずきの原因No.1と言っても過言ではありません)
- 夜間、電気をつけなくても歩けるように、常夜灯や足元灯を配置する
「模様替え」のような感覚で見直すだけでも、転倒リスクはかなり下げられます。

民間の見守りサービス・機器も選択肢に
介護保険を使わなくても、民間サービスで生活の安全性を高める方法もあります。
- 緊急通報サービス:ペンダント型のボタンを押すと、警備会社や家族に連絡が入るタイプ。自治体によっては、要介護認定がなくても高齢者向けに助成している場合もあります
- 見守りカメラ・センサー:離れて暮らす家族がスマホで様子を確認できるタイプ
- 家電の見守り機能:電気ポットやガス機器の使用状況を家族に通知するサービス
- 自動水漏れ・ガス漏れ検知器:高齢者の一人暮らしで特に安心材料になります
こうしたサービスは月額数百円〜数千円程度のものが多く、要介護認定の有無に関わらず契約できます。「まだ介護保険は使えないけど心配」という時期の心強い味方になります。
お住まいの自治体独自の助成制度もチェック
「介護保険=要介護認定が必要」というイメージが強いですが、実は市区町村が独自に行っている高齢者向けの助成制度もあります。
- 火災報知器・自動消火器の給付
- 緊急通報装置の設置費助成
- 徘徊高齢者位置情報探索サービスの費用助成
- 住宅改修費の一部助成(介護保険の対象外の工事でも対象になる場合あり)
これらは要介護認定を受けていなくても、年齢や世帯状況などの条件を満たせば利用できることがあります。お住まいの市区町村の高齢福祉課や地域包括支援センターに、一度問い合わせてみることをおすすめします。
地域包括支援センターは「認定前」でも相談できます

「地域包括支援センター」は、介護保険の認定を受けていなくても、高齢者やその家族が無料で相談できる公的な窓口です。
- 自宅の安全対策について
- どんな福祉用具や制度が使えそうか
- 要介護認定を申請すべきかどうかの判断
こうした相談に乗ってくれる、いわば**「介護の入り口」の相談窓口**です。「まだ申請するほどでもないし…」と遠慮せず、少しでも不安があれば早めに相談することをおすすめします。
まとめ:「制度がないと何もできない」わけではない
介護保険は心強い制度ですが、それがなければ何もできないわけではありません。
- 身近な道具での応急対策
- 家具配置の見直し
- 民間の見守りサービス
- 自治体独自の助成制度
- 地域包括支援センターへの相談
これらはすべて、要介護認定の有無に関わらず、今日から始められることです。
「まだ早いかな」ではなく、「今、少しでも心配なことはないか」という視点で、ご自宅を見渡してみてください。小さな対策の積み重ねが、大きな事故を防ぐことにつながります。
この記事は一般的な情報提供を目的としています。自治体の助成制度の有無・条件は地域によって異なります。詳細はお住まいの市区町村や地域包括支援センターにご確認ください。

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