「訪問診療」「訪問看護」「往診」——似たような言葉が並んでいて、結局何が違うのか分からない。そんな声を、ケアマネジャーとして20年の間、本当にたくさん聞いてきました。
今日は、それぞれの違いと、どんな場面でどれを頼めばいいのかを、実際の相談事例を交えてお伝えします。
💡 現役ケアマネより: 名前が似ているので混乱するのは当然です。まずは「誰が来て」「何をしてくれるか」だけ押さえれば十分です。
この記事で分かること
- 訪問診療・往診・訪問看護、それぞれの違い
- どんな状態の人が対象になるか
- 費用の目安
- 実際に依頼するまでの流れ
訪問診療とは
医師が、あらかじめ決めたスケジュールで定期的に自宅や施設を訪問し、診察・処方を行う医療です。
- 月2回など、決まった頻度で来てもらえる
- 通院が難しくなった方向け(寝たきり、認知症で外出が困難など)
- 慢性疾患の管理(血圧、糖尿病など)を継続的に行う
💡 現役ケアマネより: 「通院がしんどくなってきたな」と感じ始めたタイミングが、訪問診療への切り替えを考える目安です。かかりつけ医に相談すれば、対応可能な訪問診療医を紹介してもらえることが多いです。
往診とは
医師が、急に体調が悪くなった時などに、その都度呼ぶ形の診療です。
- 定期的な訪問ではなく、必要な時にスポットで依頼
- 「熱が出た」「様子がおかしい」など、緊急性のある場面で利用
- 訪問診療を受けている方が、決まった診察日以外に体調を崩した際に使うケースが多い
つまり、訪問診療=定期的な通院の代わり、往診=急な体調不良への対応という違いになります。
訪問看護とは
看護師(理学療法士などが訪問するケースも)が、医師の指示のもとで自宅を訪問し、療養上の世話や医療処置を行うサービスです。
- 点滴、褥瘡(床ずれ)の処置、カテーテル管理などの医療的なケア
- バイタルチェック(血圧・体温など)や健康状態の観察
- リハビリテーション
- 介護保険と医療保険、どちらでも利用できる(状態により適用が異なる)
💡 現役ケアマネより: 「看護師さんに何をお願いできるのか分からない」というご相談も多いのですが、医療的な処置だけでなく、ご家族の介護の悩みを相談できる存在でもあります。「夜眠れているか心配」「食事量が減った」といった生活面の相談も、遠慮なく伝えてみてください。
3つの違いを一覧で整理

| 訪問診療 | 往診 | 訪問看護 | |
|---|---|---|---|
| 担当者 | 医師 | 医師 | 看護師など |
| 頻度 | 定期(月1〜2回など) | 不定期(必要時) | 定期(週1〜数回など) |
| 主な内容 | 診察・処方・慢性疾患管理 | 急な体調不良への対応 | 医療処置・観察・リハビリ |
| 保険 | 医療保険 | 医療保険 | 医療保険 or 介護保険 |
費用の目安
自己負担額は所得や保険の種類によって幅がありますが、一般的な目安として以下のような費用感になります。
- 訪問診療:1回あたり数千円程度(月の合計で1万円前後になることが多い)
- 往診:訪問診療よりやや高めの加算がつくことが多い
- 訪問看護:介護保険利用の場合、要介護度や利用回数によって自己負担額が変動
💡 現役ケアマネより: 正確な金額は、加入している保険の種類や所得区分によって変わります。ケアマネジャーや医療機関の窓口で、事前に見積もりを確認しておくと安心です。
どうやって依頼すればいい?

訪問診療・往診を頼みたい場合
- 現在のかかりつけ医に相談する(対応していない場合は訪問診療医を紹介してもらえることが多い)
- 地域の訪問診療クリニックに直接問い合わせる
- 入院中であれば、退院前に**病院の医療相談員(MSW)**に相談しておくとスムーズ
訪問看護を頼みたい場合
- 主治医から訪問看護指示書を出してもらう必要がある(まずは主治医に相談)
- ケアマネジャーが訪問看護ステーションとの調整を行う(要介護認定を受けている場合)
- ケアプランに組み込んでもらう
💡 現役ケアマネより: 「訪問看護を頼みたいけど、何から始めればいいか分からない」という場合は、まずケアマネジャーに一言伝えてください。主治医への指示書の依頼から、事業所選びまで一緒に進めます。
こんな時、どれを頼めばいい?実例で確認

- 「最近通院がしんどそうで、定期的に診てもらいたい」 → 訪問診療
- 「急に熱が出て、いつもの通院日じゃないけど心配」 → 往診(訪問診療医がいれば、まずそこに連絡)
- 「床ずれの処置を毎日してほしい」 → 訪問看護
- 「一人暮らしの親の様子を定期的に見てほしい」 → 訪問看護(健康観察・生活状況の確認も含めて相談可能)
まとめ:迷ったら、まずケアマネジャーか主治医に相談を
訪問診療・往診・訪問看護は、それぞれ役割が異なりますが、実際の場面では「どれが正解か分からない」ことも多いはずです。
💡 現役ケアマネより: 完璧に使い分けようとしなくて大丈夫です。「こういうことで困っている」と伝えていただければ、ケアマネジャーや医療機関側で、どのサービスが合っているか一緒に考えます。まずは相談することから始めてください。
関連記事
- 介護保険を使うまでの最初の1週間完全ガイド
- 特養・老健・有料老人ホームの違いと選び方
🫶 ゆるっとケア日和|腸活×介護×FPのヒント帳 今日も、あなたと大切な人の”ごきげんな日”が少し増えますように。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。 介護サービスの利用や制度の適用については、 お住まいの自治体や担当の専門職へご相談ください。

コメント